
戦争責任者の問題
伊丹 万作
ゴマブックス株式会社 / 2014-07-23
この本について
最近、相手の言葉や空気に流されて「あれ、自分は何を頼りに判断してるんだろう」とモヤっとすることが増えていませんか。服装や立ち振る舞いみたいに本来ただの“実用”にすぎないものまで、どこか思想や立場の象徴として読まれてしまう感じがして、息苦しくなることもあります。そこで線を引き直したいのに、うまく言葉にできないまま日々が流れていく。僕自身、ずっとその繰り返しでした。 伊丹万作の『戦争責任者の問題』は、そういう混乱を一度ほどいてくれる本でした。本書の「服装は思想的表現ではない」という一文は、判断するときに混ぜてはいけない要素を静かに分離してくれます。見た目や雰囲気を“意味”として読みすぎない姿勢は、今の情報環境でもかなり効きます。もう一つ大きかったのは、「だまされること自体が一つの悪」という視点です。誰かに責任を押しつける話ではなく、自分が無自覚に思考を明け渡すことの危うさを、自分の生活のスケールに引き寄せて考えられるようになります。 全体として、派手な主張で背中を押す本ではなく、「判断の立ち位置をもう一度つくり直したい人」にじわっと効くタイプです。日々の情報にざわざわするけれど、何を基準に考えればいいのか整理したい──そんな人には、静かなヒントになると思います。
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