
院政とは何だったか (PHP新書)
岡野 友彦
PHP研究所 / 2013-02-01
この本について
歴史の本を読んでいて、「摂関政治が終わったのに摂関家は残るってどういうこと?」「院政って“天皇が引退して政治する”以上の意味があるの?」といった細かい疑問が、ずっと頭の端でモヤモヤしたまま動かないことがあります。用語は知っているのに、その裏にある仕組みがつかめない感じです。 この本は、そのモヤモヤを“荘園制と家”という一本の軸で整理してくれます。たとえば、中世の土地が「国家のもの」でも「個人の私有」でもなく、“家”の財産として継承されていたという視点に触れると、摂関家も院宮家も将軍家も、ぜんぶ同じルール上で動いていたことが腑に落ちてきます。また、治天の君の力の源が「親子関係」ではなく「院領荘園」という経済基盤にあった、と知ると、政治ドラマで描かれる情緒的な説明に自分がどれだけ引っ張られていたかにも気づきます。さらに、地方の有力者がどれだけ土地を持っていても、それが“権門の所領”にならなければ荘園と呼べなかったという話は、中世社会の“参加資格”がどこにあったのかを考えるきっかけになります。 中世史の言葉を“空気”ではなく、“仕組み”としてつかみたい人に刺さる本です。迷いながらでも歴史を自分の理解でつなぎたいタイプには、かなり頼りになる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
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