
シックスサマナ 第10号 極楽タイの地獄めぐり
クーロン黒沢、下川裕治、石川正頼
この本について
仕事でも日常でも、人の感情にいちいち巻き込まれてしまって疲れる、という相談をよく聞きます。相手の事情を知れば知るほど距離の取り方が分からなくなるし、かといって無関心でいるのも違う。私自身もその狭間でよく迷います。 『シックスサマナ 第10号 極楽タイの地獄めぐり』の抜粋を読んだとき、「オーナーのタニヤ嬢がどうなるかは興味ない」という冷たさではなく、過剰に背負い込まないための“線引き”の感覚に触れた気がしました。タイの夜の街を舞台にしていながら、人の弱さや欲、期待の扱い方がとても生々しいんですが、その中に時々出てくる言葉が、こちらの感情をふっと軽くしてくれる瞬間があります。誰かのドラマに巻き込まれすぎて視界が曇っていたのに、ひょいと地面に降ろしてもらったような感覚に近いです。 また、全部を分かった気にならない距離感が、この本の一番の効きどころかもしれません。登場人物の行く末を“知りたくもない”という投げ方が、むしろ自分自身の境界線を確かめるきっかけになる。相手を突き放す意味ではなく、自分の生活を守るための自然な態度として描かれているのが印象的でした。 人との距離の取り方がずっとしっくりこない人、自分だけが疲れている気がしている人にはじんわり刺さると思います。派手な救いがあるわけではないけれど、過剰に背負い込みがちな読者ほど、静かに効く一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
読書の順序
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