
生物に学ぶイノベーション 進化38億年の超技術 (NHK出版新書)
赤池 学
この本について
仕事でも日常でも、同じパターンにはまり続けてしまう瞬間ってあります。周りが変わっているのは分かるのに、自分のやり方だけが固まってしまう感じ。無理に変わろうとしてもうまくいかず、結局いつも通りに戻ってしまう。そんなとき、生物の世界を覗くと、自分の思考の癖がふっと緩むことがあります。 この本が面白いのは、「変わるとはこういうことか」という実感を、具体的な生き物のエピソードで掴ませてくれるところです。例えば、光の方言を使い分けるホタルや、陸に上がりきれず海へ戻った祖先の肺を浮き袋に変えた魚、有限な世界では“死ぬ”ことを選んだほうが強くなる人工生命の話など、どれも変化がきれいごとではなく、環境とのせめぎ合いの中で生まれている。無理なく変わるには「余力を残す」「機能を転換する」「多様性を抱えたまま進む」など、抽象論じゃないヒントが拾えます。 生物模倣技術の話も、自分の発想が詰まったときに効きます。ヤモリの吸着力やミウラ折りのように、一見まったく関係のない構造から解決策が出てくる感覚は、行き詰まりの突破口に近いものがあります。変わりたいけど、どう変わればいいのか分からない人にちょうどいい距離感の本です。 特に、環境や状況に振りまわされがちなビジネスパーソンに刺さると思います。
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