
ガリバー旅行記 (角川文庫)
ジョナサン・スウィフト、山田 蘭
朝日新聞出版 / 2022-10-07
この本について
最近、自分の働き方や立ち位置がよく分からなくなることがあります。誠実にやっているつもりでも評価されない瞬間があったり、「この組織のルール、ほんとに正しいのか…?」と感じたり。とはいえ、ただ不満を言うだけでは前に進まないのも分かっている。そのあいだで足が止まる、あの微妙なモヤモヤです。 ガリバー旅行記を読み返すと、この停滞の正体が少しだけ輪郭を持って見えてきます。たとえば、忠誠や貢献が一瞬で無にされる危うさを、スウィフトはユーモアの皮をかぶせながら容赦なく突きつけてきます。また、国ごとに「正しい」とされる価値観が全然違う様子を追っていくと、自分が当然だと思っていた基準が、実はかなり偏っているのかもしれないと気づかされます。さらには、能力よりも品行を重視するリリパットの考え方や、法律を守った人にきちんと報いる仕組みなど、現実では滅多に見ない「もしこうだったら」のモデルが、意外と冷静に心に刺さります。 この本が効くのは、社会や組織に対する不信を抱えつつも、ただの愚痴で終わらせたくない人です。リリパットの奇妙な制度や、ガリバーが異国で味わうズレを追っていくうちに、いま自分が立っている場所を、ほんの数センチ横から見直せるようになります。劇的に人生が変わるわけではないけれど、評価や常識に振り回されて疲れたとき、呼吸を整えるきっかけになる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの47%が集中しています。
読書の順序
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