
宇宙の戦士〔新訳版〕 (ハヤカワ文庫SF)
ロバート A ハインライン and 内田 昌之
この本について
仕事でも日常でも、理屈では分かっているのに、どうにも動けない場面ってありますよね。自分の中の決断力とか覚悟みたいなものが、いざという時に心もとないまま揺れてしまう。頭では平和的な解決が一番だと思っていても、現実の複雑さに向き合うとき、綺麗ごとだけでは処理しきれない感覚が残ることがあります。 『宇宙の戦士〔新訳版〕』は、そんな“建前と現実のあいだ”で迷っている時に、考えるきっかけをくれる本でした。作中で語られる「暴力は歴史の問題を決着させてきた」という一文は、一見すると乱暴ですが、目をそらしがちな現実を無理やり突きつけてくる感じがあります。自分が何かを守るとか、責任を負うって、綺麗な言葉だけでは済まないよな……と、妙に静かに刺さるんです。そして、重々しく迫ってくる戦闘描写や、側衛としての役割を通して、主人公たちがどう“立場”と向き合っているかを追っていくと、自分の行動基準を見直すきっかけにもなります。 この本の良いところは、読者に「こうあるべき」と押し付けてこないところで、むしろ視点を増やしてくれる感じがあります。たとえば、自分が抱えている問題に対して、逃げずに腹を括るタイミングってどこだろうとか、今の自分はどれくらい責任を引き受ける覚悟があるんだろう、と自然に考えさせられる。正義とか勇気といった言葉を使わずに、その裏側の現実を見せてくれるところが、妙にリアルなんですよね。 理想と現実のあいだで揺れながら、それでも前に進む理由を探している人に刺さる一冊です。
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