
パイドロス (岩波文庫)
プラトン and 藤沢 令夫
この本について
人間関係で、相手の言動よりも「自分の感情の揺れ」のほうに振り回されてしまうことってありませんか。あとで冷静になると、相手の問題というより、自分の欲や不安に引っ張られていただけだったな…と気づいて、なんとも言えない気持ちになるあの感じです。 『パイドロス』のこの抜粋を読んだ人が刺さるのは、多分プラトンが人間の弱さをすごく素直に書いているところなんですよね。欲望に支配されていると、相手を本来の姿ではなく「自分にとって都合のいい形」に仕立ててしまう。体調を崩しているときほど、自分に逆らわないものだけを好むように、人は精神的に不安なとき、自分を傷つけない存在だけを求めがちで、対等な関係を避けてしまう。これを読んでいると、単にダメ出しされているのではなく、「人ってそういうふうに弱くなるよね」という視点が返ってきて、少し呼吸がしやすくなるんです。 この本が効くのは、まず自分の“見え方”が乱れているときに、なぜ相手を正しく見られなくなるのかを一歩引いて考えられるようになること。それから、恋愛に限らず、仕事や友人関係でも、相手を変えようとする前に「自分の状態」を点検する習慣が身につくこと。哲学書ではあるけれど、こうした気づきは日常のかなり具体的な場面で役に立ちます。 特に、自分の感情に左右されやすくて、対等な関係がしんどく感じるときがある人には、静かに刺さるはずです。
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