
筒井順慶の悩める六月
中南 元伸
文芸社 / 2025-06-05
この本について
仕事でも人間関係でも、「どっちにつくのが正解なんだろう」と迷ったまま動けなくなる時がありますよね。表向きの正義よりも、実際には立場やしがらみ、これまでの経緯がものを言う場面ばかりで、自分の判断が本当に妥当なのか不安になる。最近の僕もまさにこの状態で、そんな時に読んだのが『筒井順慶の悩める六月』でした。 この本の面白さは、戦国時代の話なのに「判断の裏側」が妙に現実的なところです。たとえば、明智に味方しない理由一つ取っても、「主を殺した者に与すれば自分も謀叛人になる」「切支丹の世にしてしまうなら仏法僧として応じられない」など、綺麗ごとではなく、背負ってきた歴史や立場を踏まえた“現実的な線引き”が描かれます。読んでいるうちに、自分の決断が遅いのではなく、条件を丁寧に整理できていないだけなんじゃないかと思えてきました。 そして、順慶がかつての敗走や裏切りを忘れずに判断材料として抱え続ける姿は、「人は背景ごと判断している」という当たり前を思い出させてくれます。迷いながらも、何を守りたいのかを一つずつ拾っていく姿勢は、今の僕らにもかなり応用がきくはず。 歴史小説が好きな人はもちろん、日々の選択に疲れてしまった人に刺さる一冊だと思います。
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