
デス・ストランディング―上巻―(新潮文庫nex)
野島一人、小島秀夫
この本について
人と関わるたびに「つながりって何なんだろう」と悩むことがあります。助けられたい気持ちもあるのに、監視されているような息苦しさを覚えるときもある。距離を取れば楽になるけれど、それはそれで孤立してしまう。そんな揺れをごまかせないまま、日々を続けている人は多いと思います。 『デス・ストランディング 上巻』は、そんな“関係の扱いづらさ”をすごく遠い世界の話に見せながら、実は自分の生活に近いところを突いてきます。例えば、つながりが強すぎれば壊れるし、切れば切ったで別の痛みが生まれる。ビーチやカイラル通信の設定はSFだけれど、誰かとの距離を調整できずに疲れるあの感じに、そのまま重なる場面が多いんです。サムが単独で歩き続けて心が折れそうになる描写も、「身体じゃなくて心が先に折れる」という言葉に、救われる人はいると思います。 読んでいて特に刺さったのは、“違っているからこそつながれる”という視点でした。ビーチが人それぞれで、完全には分かり合えないからこそ、ゆるく結び直せる。関係を維持するって、完全な理解を求めることじゃないんだなと少し気が楽になります。過去を全部つなげられる技術より、機能を落としてでも「濃度を上げすぎない」選択が大事だという話も、人間関係にそっくりです。 合わない相手や距離感に疲れやすい人、自分の“つながりの癖”をそっと見つめ直したい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
読書の順序
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