
安定した収益&社会的意義を両立 福祉施設経営のススメ
岩崎弥一
幻冬舎 / 2021-11-12
この本について
福祉のことを考えるとき、「関心はあるけど、自分が踏み込んでいい領域なのか分からない」「そもそも仕組みが複雑すぎて全体像がつかめない」という声をよく聞きます。僕自身もずっと同じで、障がい者支援に対して“知っているようで知らない”まま距離を置いていたタイプでした。 この本を読んで印象的だったのは、障がいのある方の生活がいまだに家族頼みで、その裏側にある“親の重さ”が丁寧に描かれていることです。そのうえで、グループホームという仕組みが、暮らしを支えるだけでなく、事業としてもきちんと成立しうる理由が数字と現場の視点で示されていきます。特に、規模の違いで収益構造が大きく変わることや、人件費率がなぜ経営を左右するのかといった話は、福祉を「善意だけでは回らない現実」の側から理解できて、個人的には大きな視点の転換になりました。 もう一つ、障がい者施設と高齢者施設が“同じ福祉なのに世間の距離感が違う”という指摘も刺さりました。結局のところ、接点がないから見えないだけで、実際には一人の人間として向き合えば変わらない。その実感に近い言葉が並んでいて、構えすぎなくていいのだと思わせてくれます。 福祉分野に関心はあるけど、最初の一歩がつかめない人。あるいは地域で何か事業をしたいけれど、社会的意義と収益のバランスに悩んでいる人。そんな方には静かに効く本だと思います。
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