絶対泣かない (角川文庫)

絶対泣かない (角川文庫)

山本 文緒

累計読者数3
平均ハイライト数 8.3件/人
star総合評価 39/100
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この本について

仕事って、気づくと理由がわからなくなる時があります。忙しさに押し流されて、何を望んでいたのかも曖昧になって、気づけば「誰かが期待する自分」を演じてしまう。やりがいとか向上心よりも、とりあえず今日をこなすことで精一杯になってしまうあの感じ、わかる人は多いと思います。 『絶対泣かない』を読んで印象的だったのは、立派な答えを提示するんじゃなく、「働く自分の内側にある小さな本音」を言語化してくれるところです。たとえば、仕事が好きじゃなくてもいいという距離感の話とか、お金そのものより“お金でできること”が好きだと気づく瞬間とか、つまらない仕事を選んでいるのも自分だけれど、その選択のおかげで自立できているという視点とか。どれも大げさじゃないのに、不思議と胸の奥をつつかれるんですよね。 読んでいて思ったのは、働く悩みって「環境」よりも「自分が自分に何を期待しているか」の方が大きいんじゃないかということです。演じるように働いてしまう人や、自分の話ばかりして大事な人の声を聞けなくなる人が、物語の中で少しずつ自分に戻っていく。その変化が静かでリアルなので、話を追いながら自分にも同じ問いを返されているように感じました。 仕事に正解がほしいというより、「今の自分の立ち位置をそっと確かめたい」人に届く本です。焦りすぎていたり、働く意味を見失いかけている時に読むと、ほんの少し呼吸が楽になります。

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