
江戸の性の不祥事 (学研新書)
永井義男
この本について
最近、「昔の人ってどんな価値観で生きていたんだろう?」みたいなモヤモヤを抱えることが多いんです。今の常識で歴史を見ようとすると噛み合わないし、理解しようとすると逆にわからなくなる…。そんな時期に読んでしまったのが『江戸の性の不祥事』でした。タイトルのインパクトに反して、中身は“人間の当たり前”が時代でどう変わるかを冷静に見せてくれます。 たとえば、親が娘を売ることが責められなかった空気や、男色が珍しくないどころか身分制度にまで関わっていたこと、そして旅と遊郭がセットだった庶民の感覚。どれも今の倫理観では説明できないけれど、当時の人にとっては「そういうもの」だった。その距離感に触れることで、自分が今握りしめている“常識”も、絶対じゃないのかもしれないと思えてきます。 もうひとつ、この本は「権力者だから自由」という幻想をあっさり裏切ります。側室だらけの大名もルールに縛られ、寺院も例外なく不祥事まみれ。構造が違っても、人の弱さは変わらないんだなと妙に腑に落ちました。歴史の人物が急に等身大に見える感覚があります。 「今の価値観だけでは息苦しいけれど、何を拠り所にすればいいかわからない」という人には静かに刺さる本です。自分の考え方を一段外側から眺めたい時にちょうどいい距離をくれました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの14%が集中しています。
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