
蒼穹の昴(2) (講談社文庫)
浅田次郎
講談社 / 2004-10-15
この本について
仕事でも人生でも、視界が狭くなって「自分には荷が重いんじゃないか」と不安になることってありませんか。責任のある立場が近づくほど、足取りがふらつく感じが出てくるというか。胸を張って歩くことすら難しくなる、あのよろよろした感覚です。 『蒼穹の昴(2)』の抜粋を見ていると、保存している方はまさにその「重圧の正体」を確かめたくて読んでいるように感じます。胸を張って歩くことの難しさを真正面から言い切る場面や、才気ある者ほどみじめな思いをするという言葉に、逃げ場のない状況で踏ん張ろうとしている人の視線がにじんでいます。自分の弱さを叱咤するというより、「そう感じるのは自分だけじゃない」と思わせてくれる温度があります。 この物語が効いてくるのは、まず、負荷を抱えて前に進む人間の姿を大げさに英雄化せず、泥臭い矛盾ごと描いているところです。強さとは何か、使命とは何かを問う場面が多いのに、そこで語られるのは立派な精神論ではなく、みじめさや迷いを抱えたまま動く人間の現実です。さらに、景色や人物の描写が濃いので、読んでいる側の感情がそのまま引き出されやすい。視点がひっくり返るというより、「弱さを抱えていても歩いていい」という静かな確信を手渡される感じがあります。 いまの自分に何を期待されているのか分からなくなる人、責任の重さで足が止まりそうな人に、とくに刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの47%が集中しています。
読書の順序
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