
増補改訂版 スマホ時代の哲学 なぜ不安や退屈をスマホで埋めてしまうのか (ディスカヴァー携書)
谷川嘉浩
この本について
最近、気づけばスマホを触っていて、気持ちがザワついたり退屈したりするとすぐ何かで埋めようとしてしまうことがあります。しかも、人と一緒にいてもどこか寂しかったり、集中したいのに注意が散ってしまったり、自分でも理由がよくわからないままモヤモヤだけ溜まっていく感じがあるんですよね。 この本は、その状態を「意志の弱さ」とか「スマホ依存」といった単純な言葉で片づけないところがありがたいです。ほっとくと消えていくはずの感情を、常時接続の刺激が上書きしてしまう仕組みや、孤立(集中する力)と孤独(自分と対話する力)が同時に奪われていく過程が丁寧に説明されていて、読んでいると「あぁ、いま自分がうまく向き合えてないのはこういう構造があるからか」と腑に落ちる瞬間が何度もありました。刺激から距離を置くと、最初は退屈や不安がむき出しになるけれど、そこで踏みとどまると、他者の感情や自分の感覚の“こぼれ”に気づけるようになるという話も、最近の自分の実感に近かったです。 すぐに答えがほしい人向けではなく、むしろ「モヤモヤを消化不良のまま抱えているほうが自然なんじゃないか」と感じ始めている人にちょうどいい本です。読み終えてもすぐに行動が変わるというより、視界の端にゆっくり残り続けて、自分との距離感が少しだけ変わるような一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの16%が集中しています。
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