
「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか(新潮新書)
三宅香帆
この本について
人と話していて、「あれ、この話どこかで聞いたような気がする…」とか、うまく返せずに後からモヤモヤすることってありませんか。自分の語彙や引き出しの少なさに気づいて、ちょっと落ち込む日もあると思います。僕もそうで、ただ読書量だけ増えても会話が変わらない時期が長くありました。 この本が教えてくれたのは、“読む力そのものに技術がある”という視点でした。作家が才能ではなく技術を積み上げてきたように、読む側にも上達の余地がある。たとえば「出てこないものには理由がある」と意識して読むだけで、作品の深さが見えてきて、そこから自然に話せるネタが育っていく感覚があります。また、比較したりテーマを抽象化したり、書かれていない部分を探したりといった読み方を積み重ねることで、他人の話にもとっさに反応しやすくなる。いわば「予習済みの授業」で当てられるような安心感が生まれます。 読書を“話すための仕込み”として捉える発想は、僕にとってかなり救いでした。年齢を重ねると同じ話しかしなくなる、とよく言われますが、インプットの質を変えればそのループから抜けられる。大げさな変化ではなく、他人の話を少し丁寧に聞けたり、自分の言葉を一段だけ整えられたり、そういう小さな手応えが積み重なっていく本です。 自分の読書をちゃんと日常で使えるようにしたい人に、静かに刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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