
「好き」を言語化する技術 推しの素晴らしさを語りたいのに「やばい!」しかでてこない (ディスカヴァー携書)
三宅香帆
この本について
感想を書こうとすると、手が止まったり、自分の言葉が急に頼りなく感じたりしませんか。SNSで他の人の感想を先に見てしまって、「なんか自分の言語が負けてる気がする…」と落ち込むあの感じ、僕もよくあります。でも三宅香帆さんの『「好き」を言語化する技術』は、あのモヤモヤにそっと手を伸ばしてくれる本でした。 読んでいくうちに、自分の「好き」がどこから来ているのかを掘り下げる方法や、具体的なエピソードに寄せて語るコツがだんだんつかめてきます。たとえば、いきなり全体をまとめようとするのではなく、ひとつ心に残った場面を丁寧に拾うこと。あるいは、書き出しはとりあえず書いてから後で直せばいい、と割り切ること。こういう地に足のついた方法が多くて、「言葉をつくるって、もっと肩の力を抜いてよかったんだ」と思えるんです。 もうひとつ印象的だったのは、自分の言葉を守るための距離感の作り方。他人の感想に流されやすい人ほど、書く前に自分の感じたことをメモしておくと、ぶれにくくなるという話はかなり腑に落ちました。読み返していると、過去に好きだったものとのつながりが見えてきたり、自分でも意外な感情の理由が見つかったりして、少しずつ自分の“声”が形になっていきます。 自分の「好き」をちゃんと説明できるようになりたい人、SNSで推しや作品の魅力を語るときに言葉が薄く感じてしまう人には特に刺さると思います。慌ててうまく書こうとしないでいい。自分の感覚から始めれば十分なんだ、と自然に思わせてくれる一冊でした。
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