
なぜ働いていると本が読めなくなるのか (集英社新書)
三宅香帆
集英社 / 2024-04-17
この本について
仕事が終わったあと、「スマホなら触れるのに、本を開く気力だけがどうしても出ない」と感じることがよくあります。自分の意思が弱いだけなのかと落ち込むけれど、実はそういう話ではないのかもしれない……と、この本を読んで思いました。 三宅さんは、働きながら本を読むことが難しくなった理由を、個人の努力ではなく社会の構造から見ていきます。印象的だったのは、本を読む行為は“ノイズ”を受け入れることだという視点でした。仕事に直結しない情報に触れる余白があるかどうか。そこが今の私たちには決定的に欠けている、という指摘がやたら納得できるんです。また、「全身で働く」ことが称賛され続けた歴史をたどることで、自分の疲れ方にも説明がつく気がしました。全力でコミットするほうが楽に見える瞬間があるのも、わかりすぎるほど分かる。 じゃあどうすればいいのかというところで登場するのが、「半身で働く」という考え方です。急に働き方を変えろという話ではなく、せめて仕事以外の文脈を閉ざさないこと。自分の世界を少しだけ広げる余裕を取り戻すこと。この本は、そのための視点をそっと渡してくれます。 仕事に追われつつ、「本を読む自分」をどこかで取り戻したい人に向く一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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