
君が手にするはずだった黄金について
小川哲
この本について
創作に限らず、仕事でも日常でも、「自分は何者なんだろう」と立ち止まる瞬間ってありますよね。肩書きを名乗るのが気恥ずかしかったり、誰かの基準に振り回されてしまったり。頭では「気にする必要ない」とわかっているのに、心がついてこないことばかりで、僕もずっと同じ場所でもがいてきました。 『君が手にするはずだった黄金について』を読んでいて刺さったのは、著者自身がまったく同じ迷いの中で足を止めているところでした。賞や権威に反応してしまう弱さを否定するのではなく、「それも含めての自分だ」と静かに受け入れていく感じが、とても現実的なんです。作家としての矛盾や欠損を隠すより、むしろそこから書く理由が生まれてくるという視点は、創作だけでなく、仕事で自分の弱さと向き合うときにも助けになると思いました。 さらに、才能とは「ある」か「ない」かではなく、むしろ「欠けているからこそ動ける」という考え方も印象に残りました。普通なら見過ごすような違和感に立ち止まってしまう自分を、無理に矯正しなくていい。あの落ち込みや後ろめたさも、ちゃんと役割を持っている。そう気づくと、肩の力がすっと抜けます。 自分の不器用さや弱さを、どう扱ったらいいかわからないとき。この本は大声で励ましてくれるわけではないけれど、一歩後ろから「そのままで考えてみてもいいんじゃない?」と寄り添ってくれる一冊です。特に、肩書きに自信が持てないまま日々を進めている人に刺さると思います。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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