
今を生きる思想 ハンナ・アレント 全体主義という悪夢 (講談社現代新書100)
牧野雅彦 and ハンナ・アレント
講談社 / 2022-09-15
この本について
最近、意見がぶつかる場にいるだけでしんどくなることが増えました。自分の感じ方が正しいのかもよく分からなくて、気づくと「みんな同じ方向を見ていた方が楽なんじゃないか」と思ってしまう瞬間があります。でも、その感覚に流されると、かえって自分の判断力が弱るような怖さもあるんですよね。 この本は、そのモヤモヤを「政治思想」みたいな大きなテーマに乗せつつ、実はかなり日常の話として返してくれます。人はもともと同じ行動を取らないし、同じ場所に立てないからこそ、違う角度から同じ世界を見る。そのズレを共有することで初めて考える力が生まれる、という視点は、他人との距離感で悩みやすい自分にはかなり効きました。また、自分の意見をつくるには、共感でも押しつけでもなく、いったん相手の立場に身を置く想像力が必要だという話も、実践的で現実的です。 さらに刺さったのは、「行為」は予測できないけれど、誰かが動くことで世界に新しい可能性が生まれるという部分でした。正解の見えない状況でも、小さな一歩に意味があると受け取れるのは救いがあります。 他人とどう向き合えばいいか揺らぎやすい人、判断に自信が持てない人にとって、この本は肩をつつくような読み心地だと思います。
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