
今を生きる思想 ミシェル・フーコー 権力の言いなりにならない生き方 (講談社現代新書100)
箱田徹
講談社 / 2022-12-15
この本について
仕事でも日常でも、自分の判断なのか、周りの空気に押されて動いているだけなのか、よくわからなくなる瞬間があると思います。逆らえば自由になれる、従えば不自由になる、そんな単純な話じゃないよな…というモヤモヤを抱えたまま、私もずっとやってきました。 この本が面白いのは、権力を「禁止するもの」としてではなく、「行動させ、語らせ、生み出すもの」として捉え直しているところです。読んでいると、自由とは権力から逃げることではなく、自分がどんな力の流れの中で動いているのかを自覚し、その関係の調整をしていくことなんだと少しずつ腑に落ちてきます。たとえば、いつのまにか“主体的に振る舞うこと”すら求められてしまう現代の働き方に対して、距離を取る視点を持てるのは大きかったです。 もう一つ印象に残ったのは、フーコーが示す「統治されない技術」という考え方です。大げさな反抗ではなく、「これは自分にとって本当に妥当なのか」と問い続ける姿勢そのものが、すでに権力との関係を変化させているという指摘。これは日々の小さな選択を扱う私たちにも、そのまま使える感覚でした。 空気に飲まれやすい人、自分で考えているつもりなのにどこか指示待ちになってしまう人に静かに刺さる一冊です。
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