
超国家主義の論理と心理 他八篇 (岩波文庫)
丸山 眞男 and 古矢 旬
この本について
仕事でも日常でも、「なんで自分たちの意思決定ってこういう形になるんだろう」とか、「組織の空気に押されて動いてしまう理由がよく分からない」と感じることがあって、僕自身ずっとモヤモヤしていました。個人の判断力とかメンタルの問題に回収しようとすると、どうしても説明が足りない。もっと根っこの仕組みがあるんじゃないか、と。 丸山眞男のこの岩波文庫は、まさにその“根っこ”を丁寧にほどいていく本でした。読者の皆さんが抜き出していたように、天皇を頂点にした価値のヒエラルキー、家族主義的なつながり、倫理が権力化する構造、そして大衆組織を持たず運動が観念にとどまりがちだった背景。どれも過去の話に見えて、実際には今の日本の職場や政治空間に残っている癖や空気の説明にぴったりはまってくるんですよね。たとえば「内容的な計画を避ける」「合法性より“より上”を伺う」みたいな心性は、思い当たる人も多いと思います。 歴史を知るというより、「今の自分たちの動き方を外側から見られるようになる」感覚が強い本でした。過度に処方箋をくれるわけではないけれど、同じ風景を別の角度から見られるようになるだけでも、日々の判断が少し落ち着きます。 権力や組織の“空気”に振り回されている気がする人に、静かに刺さる一冊だと思います。
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