
豊田章男
片山 修
東洋経済新報社 / 2020-04-10
この本について
仕事でうまくいかない日が続くと、つい「環境のせいかな」とか「自分じゃなくてもいいのかも」と思ってしまうことがありますよね。責任を抱え続けるのもしんどいし、かといって全部を外に押しつけてしまうと、どこに立てばいいのか分からなくなる。その揺れ方は、自分もずっと抱えてきました。 『豊田章男』を読んでいて印象的だったのは、章男さんやイチローの「失敗の理由を自分の外に逃がさない」姿勢が、精神論ではなく“自分を動かすための仕組み”として徹底されていたことです。道具のせいにできないように同じバットを使い続ける話や、工場の外までジャスト・イン・タイムを広げようとする考え方は、環境よりまず自分が変わるほうが早いと気づかされます。また、二つの顔を持つことでようやく心のバランスを保っていたというくだりは、責任の重さを抱えている人ほど「逃げ場のつくり方」が必要なんだと教えてくれました。 さらに、章男さんが「笑顔のないところでいい仕事はできない」と言い切るあたりも、理屈というより実感に近い温度で響きます。目的に向かって一直線に見える人ほど、迷いや後退も経験していて、それでも前に出るための工夫をしている。その現実的な姿が、この本には丁寧に描かれています。 自分の仕事に責任を持ちたいけれど、どこまで背負えばいいのか分からない人。そんなタイプには特に刺さる一冊だと思います。
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