
ノモンハンの夏 (文春文庫)
半藤 一利
文藝春秋 / 2001-06-10
この本について
仕事でもチームでも、話が噛み合わないまま突っ走ってしまう空気に不安を覚えることがあると思います。外からの意見が入らない、都合の悪い情報はなかったことになる、気づけば「勢い」だけが意思決定の軸になっていく。自分もその渦の中にいると、何が正しい判断なのかよく分からなくなる瞬間があります。 『ノモンハンの夏』は、そういうモヤモヤに対して、歴史を通して「組織が判断を誤るとはどういうことか」をかなり生々しく見せてくれます。たとえば、外部の情報を排除し続けた結果、現場の失敗が構造的に見えなくなっていく様や、立場の違いによる意図のねじれが誰にも修正できなくなっていく流れ。あるいは、責任を避けたい人ほど強気な決断を押し通し、現場の声が掻き消されていくプロセス。どれも歴史の話ではあるのに、現在の職場の風景と重なる人は多いと思います。 読みながら感じたのは「暴走は誰か一人の狂気で起きるのではなく、判断停止の小さな積み重ねから生まれる」ということでした。そして、その兆しは当事者の言葉や態度にかなりはっきり現れる。本書はそれを丁寧に拾っていくので、自分の周囲でも似たパターンがないか、冷静に見直すきっかけになります。 組織の空気に振り回されがちな人、あるいは意思決定の「危うさ」を自分の仕事に引き寄せて考えたい人には、静かに効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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