
物語 ウクライナの歴史 ヨーロッパ最後の大国 (中公新書)
黒川祐次
この本について
ニュースを見るたびに「そもそもウクライナってどんな国なんだろう」と思いながら、今さら人に聞くのも気が引ける。そんなもやもやを抱えている人はけっこう多いと思います。自分も同じで、断片的な知識のまま判断していたことに気づいて、ちゃんと一冊で整理したくて読んだのがこの本でした。 読んでまず驚いたのは、ウクライナの「大きさ」や「豊かさ」が歴史にどう影を落としてきたかが、すごく具体的にわかるところです。耕地面積は日本の国土に匹敵し、黒土地帯を抱えるがゆえに周囲の大国に狙われ続けたという構造は、今の状況にもそのままつながっていきます。また、コサックの自治的な武装組織や、キエフ・ルーシ以来の文化的な自立意識など、「なぜ独立を手放さないのか」の根にある気質も、歴史の積み重ねから立ち上がってきます。 さらに、工業地帯としての側面や、ソ連時代の環境問題といった重たい事実が淡々と描かれていて、単純な善悪で語れない国の姿が見えてきます。地理・文化・政治が絡み合う複雑さを、そのまま受け止められる一冊です。 「今のニュースを自分の頭で整理できるようになりたい人」に静かに効くと思います。僕自身、地名ひとつ見るときの重みが変わりました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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