
なりきる すてる ととのえる (PHP文庫)
釈 徹宗
PHP研究所 / 2015-04-21
この本について
最近、頭では「柔軟に考えたい」と思っているのに、気づけば自分の価値観の枠から出られないことが多いな、と感じていました。人間関係でも仕事でも、つい自分側の前提にとらわれてしまって、相手の声や状況がうまく入ってこない。そんなときに『なりきる すてる ととのえる』を読むと、いったん積み上げてきた考えを解体してみる、という発想に軽く背中を押されます。 特に響いたのは、「聞く」という行為に主体性がいるという指摘でした。受け身に見える行為こそ、自分の思い込みを一度ゆるめないと成立しない。仕事で相手の意図を読み違えるときのあの感覚とつながって、耳を澄ませるとはこういうことか、と腑に落ちました。また、執着や価値観を手放す場面で、タマネギの皮をむいて何も残らないような感覚が語られていて、今の自分の「当たり前」がどれほど仮の寄せ集めでできているかを静かに再確認させられます。派手な効能はないけれど、今ここに立っていることの不思議さを丁寧に見直す時間が生まれます。 悩みそのものが消えるわけではありませんが、苦しいときに自分を少し距離を置いて眺める、そして人に向かうときに余計な力みを減らす。そのためのちいさな視点がいくつも散りばめられている本でした。自分の考え方の「枠」に気づきたい人に特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの24%が集中しています。
読書の順序
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