
はじめての動物倫理学 (集英社新書)
田上孝一
集英社 / 2021-03-17
この本について
動物について考えるとき、「好きだから大事にしたい」と思う一方で、日常の行動はそこまで変えられていない…そんな距離感にちょっと罪悪感を覚えることがありました。感情だけでは動けないし、かといって合理性だけで割り切るのも違う気がする。このモヤモヤにどう折り合いをつければいいのかずっと迷っていました。 『はじめての動物倫理学』は、その迷いを“整理してくれる”タイプの本でした。たとえば、倫理と法律の関係を切り分けて「どこまでが強制で、どこからが自発的な選択か」を見せてくれるところ。あるいは、功利主義・義務論・徳倫理という三つの視点を行為の基準として並べて、動物との関わりをどう判断するのかを具体的に考えさせてくれるところ。そして何より、動物を権利の主体とみなすための条件を淡々と説明してくれるので、「感情論じゃなくて、理由があって考える」という姿勢に自然と引き戻されます。 読み終わって残ったのは、「完璧にはできないけど、平均的な努力でできることは確かにある」という感覚でした。自分を責めるでもなく免罪符を求めるでもなく、現実的な線引きを探したい人に静かに効く本です。動物をめぐる判断にいつも迷ってしまう人に刺さると思います。
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ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
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