
Escape from Freedom (English Edition)
Erich Fromm
Macmillan / 1994
この本について
最近、「自分の考えって本当に自分のものなんだろうか」とか、「流されてる気がするのに、表向きは“自分で選んでる”顔をしてしまう」といったモヤモヤをよく聞きます。仕事でも、周りの空気に合わせているうちに、気づけば何をしたいのか分からなくなる瞬間ってありますよね。自由でいるはずなのに、どこか心が固まっていく感じです。 フロムの『Escape from Freedom』は、そういう感覚を「弱さ」や「意志の問題」で片づけず、社会と心理の関係として丁寧にほどいてくれます。たとえば、孤独や無力感が強くなると、人は自由そのものを手放したくなること。権威に従ったり、逆に大勢に溶け込むほうが安心に感じてしまう仕組みがあること。読み進めるほど、自分の中にもあるその傾向に気づいて、少し距離を置いて見られるようになります。 特に刺さったのは、「一人で立つ怖さをごまかすために、自発性ではなく“服従”を選んでしまう」という指摘です。日常レベルで言えば、考える前に正解を探しにいく癖とか、強い言い切りに安心してしまう感覚とか。そういう行動の裏にある心理が言語化されると、急に身軽になります。 「自由でいたいのに、どこかで息苦しさを感じている人」に、静かに響く本だと思います。
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