
Winny 天才プログラマー金子勇との7年半 (NextPublishing)
壇 俊光
インプレス NextPublishing / 2020-04-24
この本について
仕事でも日常でも、自分の判断が本当に正しいのか自信が持てなくなることがあって、気づくと「波に流されてるだけなんじゃ…」と不安になることがあります。正しさよりも“空気”が強い場面にいると、なおさらです。 『Winny』を読んで驚いたのは、そういうモヤモヤを丁寧に言語化してくれるところでした。金子勇という一人の技術者が、警察や世間から誤解され、時には悪意ある扱われ方をしながらも、自分の技術と考えを曲げなかった。その姿を追う弁護士の視点から、「個人が巨大な組織にねじ曲げられる瞬間」が、具体的なエピソードとして積み重ねられていきます。人質司法の不条理や、検証中にわざと偏見を誘導しようとする捜査側の振る舞いなど、一つひとつが生々しく、こちらの認識も強制的に揺さぶられます。 ただ、この本が単なる社会告発で終わらないのは、金子の飄々とした人柄や、接見室でも新しいシステムの設計を始めてしまうような“技術者としての純度”が描かれているからです。自分の損得や世間の評価よりも、「こうあるべきだ」と信じた方向に淡々と手を動かす。その姿を覗き見るだけでも、周りのノイズに振り回されがちな自分の姿勢を、少しだけ整えてくれます。 周囲の圧力に飲まれやすかったり、正しさと現実の折り合いで悩みやすい人ほど刺さる一冊だと思います。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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