
システム障害はなぜ二度起きたか みずほ、12年の教訓(日経BP Next ICT選書)
日経コンピュータ
この本について
システムに携わっていると、「このプロジェクト、本当に全体を把握できている人いるんだろうか…」とか、「障害が起きたら自分は初動をちゃんと切れるのか…」みたいな妙な不安がつきまといます。現場だけ見ていても、経営だけ見ていてもつかめない“全体”の重たさがあって、そこに自分の手が届いていない感覚が残るんですよね。 この本は、みずほ銀行の度重なる障害を題材にしつつ、単なる“失敗談”ではなく、なぜ判断が遅れたのか、なぜ誰も決めなかったのか、なぜ初動が遅れたのかといった現場と経営の間で起きがちなほころびを、かなり現実的な目線で追っています。たとえば、異常時のシナリオが紙一枚すら存在しない状態で対応に入る混乱や、経営陣とシステム部門が対話できていない危うさ、そして「丸投げ」の誤解がどれだけ致命的になるか。読みながら、自分の職場で起きそうな場面が何度も浮かびました。 個人的には、プロジェクト開始前に“定義する”という地味だけど抜けがちな作業の重要性や、進捗を把握するために現場に踏み込む必要性が、妙に刺さりました。どれも理屈では知っていたつもりなのに、実際の障害事例に乗せて語られると、急に自分事として腹に落ちる感じがあります。 現場と経営のあいだで揺れながら仕事している人、そして「このままだと同じ失敗をする気がする」と薄く不安を抱えている人には、静かに効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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