
「もの忘れ外来」100問100答
奥村 歩、蔭山 敬吾
CEメディアハウス / 2012-04-26
この本について
最近、親やパートナーの言動に「あれ、前と違うな」と感じつつも、病気なのか年齢相応なのか、自分では判断しきれないまま不安だけが積み上がっていくことがあります。本人が病院を嫌がったり、同じ質問を何度もされてついイライラしてしまったり、こちらも余裕がなくなっていく。そんな状況で、何をどう考えればいいのかがわからなくなるんですよね。 この本は、認知症そのものよりも、むしろ“その手前にある違和感”の正体を言葉にしてくれる感覚があります。たとえば、本人が自分の変化に薄々気づいていて、その戸惑いが頭痛やめまいとして出ることがあること。あるいは、もの盗られ妄想が「混乱を取り繕うための行動」として理解できること。こうした背景を知ると、目の前の言動の受け取り方が少し変わり、こちらの心の硬さがやわらぐ瞬間がありました。また、旅行の記憶だけ抜け落ちるケースや、喪失体験による一時的なぼんやりなど、「病気とは限らない状態」を丁寧に描いてくれているので、必要以上に怖がらなくていい範囲も自然と見えてきます。 家族のことを気にしつつ、自分の生活も抱えている人に刺さるタイプの本です。認知症を神秘的に語るのではなく、日常の延長線で起きる変化として扱ってくれるので、読み終わったあと「どう支えるか」よりも「まずはどう理解するか」がほんの少し前向きになります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
読書の順序
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