
O嬢の物語 (角川文庫)
ポーリーヌ・レアージュ and 澁澤 龍彦
グーテンベルク21
この本について
人に流されやすいとか、相手の気持ちを優先しすぎて自分の感情がどこにあるのかわからなくなる時ってありませんか。気づけば「従っているのか」「求めているのか」が曖昧になって、どこかでモヤモヤを抱えたまま日々をやりすごしてしまう。僕もけっこうそこに長くいました。 『O嬢の物語』は、表面的には支配と服従の物語に見えるのですが、読者が抜き取っている部分を読むと、みんなが引っかかっているのは“力関係そのもの”ではなく、Oの内側で起こる揺れなんだと思います。恐れと安心が同時にくる瞬間とか、誰かの意志に寄りかかることで、自分の本心が逆に浮き上がってしまうあの感じとか。潔く身を差し出しているように見えて、その裏には反発が渦巻いていて、それを自分でも持て余している様子に、妙なリアリティがあります。 読みながら「従うかどうか」よりも「自分の欲望や不安って、こんなふうに形を変えるんだな」と気づかされることが多いです。他人に委ねることで楽になる部分と、そこで初めて見える弱さや期待。その揺れをごまかさずに見つめる感覚は、日常の人間関係にも意外な形で効いてくる気がします。 支配や主従の話に興味がなくても、「感情の主導権を失ったとき、人は何を感じるのか」を落ち着いて知りたい人には刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの28%が集中しています。
読書の順序
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