
生きるための哲学
白取春彦
ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2012-05-13
この本について
仕事でも人間関係でも、頭の中が常に比較や判断でいっぱいになってしまう時期ってありますよね。できる・できない、成功・失敗みたいなラベルを自分で勝手につけて疲れ切ってしまう感じ。僕もその渦に巻き込まれていたとき、この本に出会いました。 『生きるための哲学』が面白いのは、「ものの見方が変わると、人生そのものの質が変わる」という話を、抽象論じゃなくて“実感としてわかる視点”で描いてくれるところです。たとえば、自分の価値判断をいったん外すと、余計な期待や恐れがすっと消えて物事がクリアになる、という感覚。あるいは、欲望や衝動に飲まれそうになったとき、肩の上にもう一人冷静な自分を置くように意識してみる、といった現実的な工夫。どれも大げさではないけれど、明日から試せる視点の転換でした。 さらに、仕事を「報酬のため」ではなく「自分を変える場」として捉え直す考え方も印象的でした。環境がどうであれ、本気で求め続けたものは形を変えて返ってくる、という話は、現実を前に立ちすくんでいた自分の背中を軽く押してくれました。 自分の基準が揺らぎがちな人、外からの価値観に振り回されやすい人にとって、この本は“視点の支え”になると思います。哲学といっても難解さはなく、むしろ静かに自分の輪郭が整っていくような読後感でした。
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