
日本の景気は賃金が決める (講談社現代新書)
吉本佳生
講談社 / 2013-04-17
この本について
景気の話って、どうしてこうも「結局なにが原因なのか」が霧の中みたいなんですよね。インフレと言われれば不安になるし、賃金が上がらない理由を聞かれてもピンとこない。自分の生活実感と、ニュースで語られる数字が全然つながらない感じ、けっこう長く抱えていました。 この本は、その霧を無理に晴らそうとするんじゃなくて、「どのポイントを見落としていたのか」を静かに示してくれます。読者が保存していた部分を見ても、みんな気にしているのは、インフレや金融緩和よりも、実際の生活に直結する“賃金と需要”の話なんだと思います。日本の不況は供給側の問題じゃなく、消費不足が核心にあること。非正規雇用の増加で生産性が伸びにくくなっていること。景気をよく見せる政策と、実際に暮らしを支える仕組みがズレていること。こういう点を、政治的な立場とは距離を置いて整理してくれるのがありがたいです。 読んでいると「なんでこんなに賃金が上がらないのか」を、自分の働く場や日常の選択に引き寄せて考えられるようになります。都市に人が集まると賃金が上がりやすいメカニズムや、サービス業の稼働率のような身近な話も多くて、難しい話なのに、自分の生活と地続きで理解できる感覚が残ります。 数字や政策の議論を“自分ごと”として捉え直したい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
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