
逮捕されるまで 空白の2年7ヵ月の記録
市橋達也
幻冬舎
この本について
仕事でも日常でも、ふと「自分はちゃんと生きているのか」と不安になる時がありますよね。やるべきことはこなしているつもりなのに、どこか地面がふわつく感覚が残るというか。そんな時に、この本の抜粋を読んで「そこに引っかかった理由」が少しだけわかる気がしました。 逃亡という極限状態の話ではあるんですが、実際に胸に残るのは事件そのものではなく、労働や生活の細部なんですよね。濡れた作業着を翌日にまた着る、給料をどう記入するかも知らずに怒られる、誰かに必要とされたと思った瞬間にそれが勘違いだと知って落ち込む…。自分の人生とは全く違う状況なのに、「人が追い詰められた時の等身大の感覚」が妙に重なってくるんです。過去を切り捨てようとしても、結局ついてくるという一文が刺さった人は多いと思います。 この本の効きどころは、罪の是非を論じるよりも、極端な状況に置かれた時、人がどんなふうに働き、感じ、耐えようとするのかをありのままに見せてくれるところです。職場での扱われ方に敏感になってしまう人や、自分の存在をどうにか保ちながら生きている人には、思いがけない視点の変化があるかもしれません。 「自分の弱さをごまかさずに見たい人」に静かに刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの45%が集中しています。
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