
とらドラ! (電撃文庫)
竹宮 ゆゆこ and ヤス
KADOKAWA / 2012-03-27
この本について
人の気持ちって、見えているようで全然わからなくて、でも自分の気持ちも同じくらい言葉にできない。そういう日が続くと、ほんと何が正解なのかわからなくなりますよね。強がってみたり、黙ってみたり、相手に伝わらなかったり。その不器用さごと抱えたまま生きている感じ、僕もずっと同じです。 『とらドラ!』を読むと、その“言えなさ”がちゃんと物語になっていて、なんだか救われるんです。竜児が見せる家の事情や思春期の痛いところ、大河がふとこぼす弱さ。あれって大げさなドラマじゃなくて、誰にも言えず胸の奥に沈めてきたものに近い。二人がぶつかりながらも、料理を作ったり、どうでもいいことでケンカしたり、帰り際に数秒だけ沈黙が続いたり。そういう小さな行動の中で少しずつ距離が変わっていくのが、この作品の強さだと思います。 “誰一人見たことのないもの”みたいな大きな言葉も出てくるけれど、実際に効いてくるのは、クッキーを渡す瞬間のぎこちなさとか、言えなかった言葉が風で流れていく感じとか、あのリアルな温度です。自分もこんなふうに誰かと並び立てたらな、と思わせてくれる。 不器用なまま誰かと関わろうとしている人には、とくに刺さるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
読書の順序
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