
悲しくも笑える 左利きの人々 (中経の文庫)
渡瀬けん
この本について
左利きの友人とごはんを食べていると、ひじがぶつからないように何度も席を調整していたり、ハンコだけやけに時間がかかったりしていて、「これって本人にしかわからない世界なんだろうな」と思うことがあります。右利きの自分には気づけない不便が、日常のあちこちに埋まっているんですよね。でも当の本人たちも、それを“直す”でも“主張する”でもなく、うまく折り合いをつけながら生きている。そこにどこかモヤっとした思いがあったりします。 『悲しくも笑える 左利きの人々』は、そのモヤモヤを肩の力を抜きつつ整理してくれる一冊でした。缶切りや万年筆のような“右利き前提”の道具がなぜ使いにくいのか、テニスや卓球で左利きが有利になる理由はどこにあるのか、子どものボタン付けが遅いのは単なる発育ではなく利き手が関係しているのか、といったあたりを、生活の細かい場面に落として教えてくれます。読んでいるうちに、「これは慣れの問題じゃなく、構造そのものがそうなっていたのか」と気づく瞬間がいくつもありました。 左利きの人だけでなく、“自分とはちょっと違う感覚で生きている誰か”を理解したい人には特に刺さると思います。大げさな結論は出てきませんが、目の前の誰かへの接し方が少し変わる、そんな実用性のある本でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの30%が集中しています。
読書の順序
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