アンナ・カレーニナ 1 (光文社古典新訳文庫)

アンナ・カレーニナ 1 (光文社古典新訳文庫)

トルストイ and 望月 哲男

累計読者数18
平均ハイライト数 15.4件/人
star総合評価 58/100
start序盤集中型

この本について

人間関係って、自分ではうまくやりたいと思っているのに、気づけば感情の波に振り回されていたり、相手の一言で頭の中がいっぱいになったりしますよね。しかも、自分の中の「本当の気持ち」がどこにあるのかすら分からなくなるときがある。そんなモヤモヤを抱えているときに、『アンナ・カレーニナ』を読むと、妙に胸の内を代弁されたような気持ちになります。 この小説の人物たちは、とにかく「言葉にならない揺れ」をそのまま生きています。嬉しいのに不安だったり、愛しているのに逃げたくなったり、人からどう見られているかを気にしながらも自分の気持ちを止められなかったり。読者の方が保存していた場面も、誰かのまなざしで自分が少しだけ良い人間に感じられたり、相手の顔色一つで胸が締めつけられたり、そんな繊細な瞬間ばかりです。こういう場面に触れていると、自分の感情の複雑さが「変じゃないのかもしれない」と思えてくるんですよね。 それに、登場人物たちは幸せや不幸を大げさに語らない。むしろ「なるようにしかならない」とため息をつきながら、それでも誰かを求めたり、後悔したり、言えない気持ちを抱え続けたりする。その等身大さが、現実のわたしたちと地続きなんです。人を好きになるときの体温の上がり方や、言葉にできない胸のざわつきがここまで丁寧に描かれていると、読んでいる側の気持ちも自然とほぐれていきます。 感情の扱いに自信がないまま大人になった気がする人、もしくは「自分の気持ちってこんなに面倒でいいのか」とこっそり思っている人に、特に刺さると思います。

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