
新版 歎異抄 現代語訳付き (角川ソフィア文庫)
千葉 乗隆
KADOKAWA
この本について
最近、「自分の努力だけではどうにもできないことが多すぎる」と感じる瞬間が増えました。やるべきことも、人との関係も、気持ちのアップダウンも、全部“自分しだい”で説明しきれない。わかっていても、自分を責めるクセだけはなかなか抜けません。 『歎異抄』を読むと、その行き詰まりに少し呼吸が入ります。人の善悪も、動ける日と動けない日も、すべては自分の意思だけでは決まらないという視点が提示されていて、「そういうものとして受け止めていい」という余白が生まれます。とくに、喜ぼうとしても喜べない心さえ“縁”の中にあるという説明には、無理に整えようとしていた肩の力が一段抜ける感覚がありました。 もう一つ、この本が静かに効くのは、「自分のはからいを混ぜない」という姿勢です。成果を出さなきゃ、良い選択をしなきゃと焦るほど、判断がこじれていくことがありますが、歎異抄の語りは、そこをやわらかく手放させてくれます。念仏の話が出てきますが、何かの行動を強いる本ではなく、「自分の思慮を越えたものに委ねる」という心の置き方として読めます。 自分を追い込みがちな人、努力だけでは割り切れない現実に疲れている人に、とくに刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの35%が集中しています。
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