
基準値のからくり 安全はこうして数字になった (ブルーバックス)
村上道夫, 永井孝志, 小野恭子, and 岸本充生
講談社 / 2014-06-20
この本について
数字のニュースを見るたびに、「結局、この基準値ってどこまで信用していいのか?」とモヤっとすることがありませんか。安全と言われても何をもって安全なのか、逆に“基準の○倍”と聞くと必要以上に不安になったりして、判断がぶれる自分にも疲れてきます。僕もずっと同じでした。 この本がおもしろいのは、基準値の裏側にある“人間の事情”を丁寧に見せてくれるところです。たとえば、健康リスクの議論だけで決まっていると思い込んでいた数字が、実際には経済リスクや技術的限界が織り込まれていたり、ゼロリスクを前提にするとかえって現実的ではない場面があったり、そもそも基準値が「考えることを遠ざける道具」になってしまう危うさが語られています。また、卵の賞味期限やサラダの消費期限のような身近な例が多く、数字の“正しさ”よりも、どういう意図で設定され、どんなバイアスで受け取られがちなのかが具体的にわかります。 読んでいて感じたのは、基準値を「絶対の線」として扱うよりも、「前提条件つきの目安」として読み解けるようになるだけで、不安とのつきあい方が変わるということです。数字に惑わされず、自分で判断したい人に向いています。 世の中の“安全っぽい数字”に一度立ち止まりたい人には、静かに効いてくる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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