
「ゼロリスク社会」の罠~「怖い」が判断を狂わせる~ (光文社新書)
佐藤 健太郎
この本について
日々ニュースを見ていると、どれが本当に危ない話で、どれが「怖い」と感じさせられているだけなのか分からなくなることがあります。自分の中のモヤモヤを言語化できないまま、なんとなく不安だけが積み上がっていく感覚、僕もよくあります。しかも、避けたつもりのリスクの裏側で、別のリスクを抱えていた…なんてことも珍しくないんですよね。 この本が刺さるのは、まさにその「不安の正体」を一度落ち着いて見直したい時です。たとえば、報道が強調する“悪いニュース”が、僕らの感じる危険度をどれだけ歪めているかが、具体的な事例とともに説明されます。こんにゃくゼリーの話や、9.11後に飛行機を避けたことで道路事故が増えた話など、日常の判断と地続きの話ばかりで、自分の思い込みに気づける瞬間が多いです。また、農薬の基準値の仕組みや、自然物と人工物のリスクの差が実は直感と逆だったりと、「なんとなく怖い」を溶かしてくれる情報が丁寧に語られています。さらに、自分のバイアスがどうやって判断を狂わせるか、分母のない話をどう疑うか、といった“日々の判断を少しマシにする”視点も得られます。 ニュースやネットを見て「結局、何を信じればいいんだろう」と感じたことがある人には、とくに刺さると思います。リスクをゼロにする方法を教えてくれる本ではありませんが、リスクとどう付き合うかを、自分の頭で考えられるようになる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
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