
雇用,利子および貨幣の一般理論 (上) (岩波文庫)
ケインズ、間宮 陽介
東洋経済新報社 / 2015-06-15
この本について
仕事でも生活でも、数字は動いているのに自分の実感はついてこないことってあります。給料が上がっているはずなのに余裕は増えないとか、ニュースの景気判断を見ても自分の働き方にどう関係するのか分からないとか。なんとなく「経済ってそういうもの」と流してきた部分ほど、じわっとしたモヤモヤが残るんですよね。 『一般理論』を読んでいて刺さったのは、まさにその“ズレ”に正面から向き合っているところでした。たとえば、貨幣賃金が上がっても実質賃金は下がることがあるという話。自分の感覚が間違っていたわけではなく、経済の仕組みそのものがそういう動きをする。そうわかるだけで、日々の違和感の位置が少し定まります。また、貨幣経済とは「将来の見方が変わるだけで雇用も動いてしまう」という指摘も、転職や投資の判断で感じる不安の正体に、うっすら輪郭をつけてくれます。 そして古典派が前提にしていた世界は「ごく特殊な場合にしか成立しない」とケインズが言うあたりは、自分が抱える混乱は“自分が無知だから”ではなく、そもそも従来の説明が現実にそぐわない部分があるからなんだと腑に落ちる瞬間でした。難しい本ではありますが、現実を丁寧に読み替えるための道具としては、思った以上に使える一冊です。 経済ニュースの言葉が自分の生活にどんな形でつながっているのか知りたい人に特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
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