
孟嘗君 全5冊合本版 (講談社文庫)
宮城谷昌光
講談社
この本について
日々の判断で迷ったり、人との距離感に引っかかったり、気づくと自分の視野がすごく狭くなっている瞬間ってあります。目の前のことに追われていると、長めのスパンで物事を見る余裕がなくなるんですよね。僕も同じで、そんなときは歴史ものを読むと、ちょっと呼吸が深くなることがあります。 『孟嘗君』には、戦国時代という混沌の中で、人がどう考え、どう動き、どう折り合いをつけていたのかが淡々と描かれています。紙すらない世界で、人は木片に文字を刻み、遠い希望を星になぞらえて語り、平等への願いと特別でありたい欲のあいだで揺れ続けていた。何千年も前なのに、いまの自分の悩みと地続きだと気づく瞬間があるんです。読んでいるうちに「いま自分が抱えているモヤモヤも、人間がずっと向き合ってきた種類のものなんだ」と少しだけ視点が引き上がるような感覚があります。 特に、希望の話や「人は均しくない」という言葉は、自分の未熟さを責めすぎてしまうときの支えになると思います。完璧さを前提にせず、揺れながら進むしかない人間像が、歴史の中から静かに立ち上がってくる。戦の描写も派手さより理と流れの読み方が中心で、日常の選択のヒントになる部分が多いです。 肩に力が入りやすい人、視野が狭まっていると感じる人に刺さる作品だと思います。文庫ですが、腰を落ち着けて読むとじわじわ効いてくるタイプの一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの40%が集中しています。
読書の順序
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