
新訳 夏の夜の夢 (角川文庫)
シェイクスピア and 河合 祥一郎
KADOKAWA / 2013-10-25
この本について
人間関係でも恋愛でも、相手の気持ちが読めないまま突っ走ってしまったり、自分だけが空回りしているような感覚ってありますよね。分別で判断すべきだと頭では分かっているのに、気持ちがついてこない。そんな矛盾を抱えたまま日々を進めていると、「もうこれは夢なのか現実なのか分からない…」みたいな気分にもなります。 『夏の夜の夢』を読んで面白いのは、登場人物たちがまさにその“混線状態”の中でもがきながら、それでも自分の気持ちを手放せないところです。惚れたら相手がどう見えるかとか、未練がどれくらい人を不器用にするかとか、そういう細かい感情の揺れがやたら生々しい。読者が抜き出している箇所を見ると、特に「恋は目で見ず、心で見る」「自分のものなのに、自分のものじゃないみたい」といった、自分の感情を持て余す瞬間に共感しているんだろうなと思いました。 この本のいいところは、恋愛劇のふりをして、実は“気持ちと理性が一致しない時、人はどう振る舞うのか”を丁寧に見せてくれるところです。夢と現実がぐちゃっと混ざった場面を追いかけているうちに、自分の中の不可解な感情にも「まあ、人間ってこんなもんか」と少しだけ余裕が生まれる。理屈で片付かない気持ちとどう付き合うか悩んでいる人に向いています。 こんがらがった感情をそのまま抱えたまま読みたい人に、ちょうどいい一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第9章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの45%が集中しています。
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