
里山産業論 「食の戦略」が六次産業を超える (角川新書)
金丸 弘美
この本について
地域の取り組みを見ていると、「結局どこも同じパターンに落ち着くな」とか、「視察に行っても、表面だけ見て帰ってきてしまう…」みたいなモヤモヤってありませんか。自分も地方の事例を調べるたびに、景観や文化の背景まで踏み込めていない感覚があり、どうしても釈然としませんでした。 この本は、そういう“分かったつもり”の壁を壊してくれました。印象的だったのは、まず「学びの視察」をする姿勢の具体さです。資金調達や人材確保の経緯まで聞かないと意味がない、という指摘は、そのまま自分の仕事の反省点にもなりました。また、食材の歴史や栽培法までをテキスト化して発信力を高める話は、地域の価値を言語化できずに埋もれていく現場を思い出して、胸がちくっとします。さらに、ヨーロッパのように景観に対して厳しい規制と手厚い補助をセットで考える視点も、産業を“量”ではなく“土台”から見直すヒントになりました。 六次産業化を単なる大量生産の文脈で語らず、地域の多様性や食文化そのものをどう育てるかにフォーカスしているので、観光や農業に関わる人だけでなく、「地域をどう価値として表現するか」で悩んでいる人に刺さると思います。自分も読みながら、言葉にできていなかった違和感をいくつも拾い直せました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
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