
新装版 台湾人と日本精神
蔡焜燦
小学館 / 2015-04-28
この本について
仕事や人生の判断で、「昔の出来事って今の自分にどう関係あるんだろう」と戸惑うことがよくあります。とくに歴史の話は距離があって、知識としては知っていても、行動にどうつながるのかが見えにくい。僕自身もそのタイプでした。 でも、この本を読んでいると、台湾の近代化の裏側で何が起きていたのかが、具体的な場面として立ち上がってきます。水力発電を通して台北から高雄まで電力が届いたことや、台北の下水道が当時の東京より早く整えられていたこと。教育機会を広げるために、貧しい家庭にまで就学を促した政策があったこと。抽象的な「統治」という言葉ではなく、そこに生きていた人たちの生活がどう変わったのかが、手触りのある事実として書かれています。 もちろん、植民地統治を単純に肯定する話ではありません。ただ、善悪のどちらかに振り切るのではなく、歴史を構成していた具体的な選択や事情を見直すことで、いま自分が抱えている思い込みがほどけていく感覚がありました。視点をひとつ増やすだけで、過去との距離や現在の判断の仕方も少し変わるんだなと。 立場や感情が揺れやすいテーマだからこそ、「歴史のグレーな部分と正面から向き合いたい人」に向いている一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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