
新版 落窪物語 現代語訳付き【上下 合本版】 (角川ソフィア文庫)
室城 秀之
KADOKAWA
この本について
物語を読んでいて、「世界の輪郭がつかめないまま進む感じ」にモヤモヤすることってありませんか。とくに平安ものは、衣装や身分、建物の構造が細かく出てくるぶん、情景が立ち上がるまでに少し距離があります。自分も昔はそこでつまずいて、物語そのものよりも、まず“読み進める体力”に悩んでいました。 今回の『落窪物語』の抜粋を見ていると、読者の方が刺さっているのは、豪華さそのものより、「人がどんな位置に座り、どんな衣を重ね、どんな空間で暮らしていたのか」という生活のディテールなんだと思います。車の乗り方に上座と下座があったり、下部屋で侍女が動いていたり、季節ごとの装束の音がそよぐ描写があったり。こういう具体が積み重なると、登場人物の距離感や緊張感まで自然と読めるようになります。物語の理解というより、“世界に住む手触り”が急に出てくる感覚です。 この新版は、そうした細部を現代語訳と注で丁寧に拾ってくれるので、単に「あらすじを追う」読み方ではなく、登場人物の視線の高さや、上下関係の空気ごと味わえるようになります。母を失った姫が祖母にではなく父に引き取られる事情など、何気ない一文の背景に潜む社会の仕組みまで見えてくるのがありがたいところです。 平安文学を“物語として”楽しみたいけれど、時代の感覚を自分の中に落とし込むのに苦戦している人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの39%が集中しています。
読書の順序
この本の後に読まれた本
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
BookNotion をお使いの方へ
この本の指標は、あなたの本棚でも見られます
このページで見ている読者数・精読度・完走率は、あなた自身の本にも表示できます。BookNotion をお使いなら、下のリンクを開くだけで自分のデータが出ます(ログイン操作は不要です)。
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要




