
はじめて読む人のローマ史1200年 (祥伝社新書)
本村凌二
祥伝社 / 2014-06-10
この本について
歴史の本を読むときって、「結局いまの自分にどう関係あるんだろう…」と手が止まることが多いんですが、このローマ史を読んでいると、むしろ自分のモヤモヤの正体が過去から照らされる感じがありました。たとえば、組織での立場や身分の差に振り回される感じとか、制度が形だけで動いていないときの無力感とか。ローマでも似たような悩みを抱えて、何百年もかけて調整していたんだなと分かるだけで、少し肩の力が抜けます。 個人的に効いたのは、ローマが「失敗しても一度で見限らない」文化だったこと。再起のチャンスを与え続けたからこそ帝国になれた、という視点は、評価に怯えて縮こまっているときに刺さりました。それから、ローマが慣習を積み重ねて制度にしていった話も、完璧なルールを求めすぎて前に進めない自分には現実的なヒントでした。あと、富裕層が自分の名誉で公共事業を支えるという仕組みは、善悪よりも「人が動く理由」のリアルさを感じられて面白かったです。 大げさな希望を語るのではなく、「悪いことが起きませんように」と祈っていたローマ人の感覚も、今の不安定さにどこか通じます。壮大な1200年の話なのに、読みながら自分の日常の選択とつながる。そんな不思議な一冊でした。制度や組織に疲れたとき、いったん距離を置いて違う時代から考えたい人に刺さると思います。
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