
NHK「100分de名著」ブックス 良寛詩歌集 「どん底目線」で生きる
中野 東禅
NHK出版 / 2017-04-25
この本について
最近、気づけば「なんでこんなに心がざわついてるんだろう」と思う瞬間が増えていませんか。頑張っているつもりなのに、判断がブレたり、何が正解かわからなくなったり。僕もよくその沼にはまります。そんな時に読んだのが、この『良寛詩歌集 「どん底目線」で生きる』でした。 この本が面白いのは、「悟り」みたいな遠い話をしているのではなく、むしろその逆で、エゴや理想が膨らんでいく前の“静かな場所に戻る感覚”を丁寧に扱っているところです。良寛がわざわざ乞食暮らしを選んだ理由や、喪失をどう受け止めたのかを追っていくと、自分の中にも同じような「余計なものが多すぎるだけかもしれない」という視点が生まれてきます。どん底目線で世界を見ると、これまで当たり前と思っていたルールや期待が一度ほぐれていく感じがあるんですよね。 もうひとつ、この本が刺さるのは、良寛が見たものを言葉にし続けた姿勢です。見て終わりにせず、漢詩や和歌という形で外に出す。その行為のおかげで、自分の内側の汚れや揺れに気づくきっかけが生まれる。これは今の僕らにも応用しやすくて、「ちゃんと気づくための余白づくり」として読めます。 自分の調子がわからなくなった時、あるいは「一度フラットな場所に戻りたい」と感じている人に向いている一冊です。
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