
興亡の世界史 近代ヨーロッパの覇権 (講談社学術文庫)
福井憲彦
講談社 / 2017-10-10
この本について
歴史を読んでいて「結局、ヨーロッパが強かった理由って何なんだっけ」とか、「現代の国際関係のゴタゴタはどこから来たのか」がモヤッとしたままのこと、ありませんか。自分もそのあたりがずっと霧がかかったままで、単語だけ知っててもストーリーがつながらない感じが続いていました。 この本は、その霧をゆっくり晴らしてくれるタイプで、抜粋にもあるように“ヨーロッパの世紀”が偶然ではなく積み重ねの結果として形づくられていく流れが丁寧に描かれています。たとえば、中世のラテン語世界から近世の主権国家の成立へどうつながるのか。あるいは、工業化と国民国家がどうセットで作用し、なぜヨーロッパが世界資本主義の中心になったのか。さらに、移民や戦争が思わぬ形で文化を拡散し、逆に理解を妨げてもいたという“きれいごとだけではない”部分まで触れてくれるのがありがたいところです。 読んでいて感じたのは、歴史を“教訓”として押しつけてくるのではなく、いまの日常の「なぜこんな世界になっているんだろう」という感覚と自然につながっていくところでした。地図が頭の中で書き換わるような確認作業に近いので、暗記とは違う実感が残ります。 過去の出来事を大づかみに理解したいけれど、教科書的な説明では物足りない人に刺さる一冊だと思います。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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