
物事のなぜ ― 原因を探る道に正解はあるか
ピーター・ラビンズ and 依田光江
英治出版 / 2017-12
この本について
仕事で「原因を突き止めろ」と言われても、そもそも原因って何を指すのか…と立ち止まることがあります。自分では筋道を立てたつもりでも、相手とまったく違う前提で話していたりして、モヤモヤだけが残るあの感覚です。原因探しって、論理よりも“視点の置き方”で噛み合わなくなるんだろうな、と何度も思ってきました。 この本が面白いのは、因果関係を「三つの面」のモデルとして整理し直してくれるところです。いかにも学術的な話に聞こえるのに、読んでみると日常の小さな場面にもそのまま当てはまる実感があるんですよね。例えば、目の前の出来事をどう切り取るか、どのレベルの説明を妥当とするか、そしてどんな物語の形にまとめるのか。原因探しの場面でいつもごちゃっと混ざりがちな部分が分解されることで、議論がすれ違う理由が見えてきます。個人的には、相手の説明が浅い・深いと感じるとき、価値観の衝突ではなく“面の違い”から生まれていることが分かり、無理に説得しようとしなくなったのが大きな変化でした。 「原因って結局どう考えればいいのか、ずっとしっくりきていない人」に静かに効いてくる本だと思います。
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